先日、韓国ソウルで訪れたおすすめの「美食グルメスポット」を、渡韓歴30回のライターが紹介します。
ハンジャンエチュオッ/通称:ハンチュ(한잔의 추억/한추)
筆者がソウルへ行く度に訪れたくなる「ハンチュ」。今回で30回目の渡韓でしたが、一番多くリピート訪問しているお店です。
「一杯の思い出」という意味を持つ「ハンジャンエチュオッ」の店名。古くなった看板が剥がれ落ち、「ハン」と「チュ」の2文字だけが残っていることから「ハンチュ」の名で親しまれています。
今ハンチュで一番人気なのが、大皿で提供されるこちらのトッポッキ。平均的なお餅のサイズよりもかなり大きく、インパクトのあるひと皿です。しかし、もちもち、ふわふわで見た目よりも軽く、お餅以外にも春雨やおでん、ゆで卵などが入っているので、飽きることなく食べ進められます。
ハンチュで筆者が一番好きなメニューが「フライド(チキン)」。フライドチキンは2種類ありますが、甘辛いソースのかかっているヤンニョムチキンではなく、シンプルな「フライド」のほうです。
一見、こげていたり古い油を使っているのではないかと疑われてしまうビジュアルですが、勿論そんなことはありません。青唐辛子が練り込まれた生地をじっくり揚げて、アツアツの状態で提供されます。
ひと口頬張れば徐々にじんわりと口全体に辛さが広がっていき、これがもうヤミツキ。いつの間にか額もほんのり汗ばむほど全身に辛味が伝わってくるのですが、激辛フードとは一線を画す絶妙なピリ辛さ。他店では味わえない独特なテイストの虜になるはずです。
今回はオーダーしていませんが、唐辛子の肉詰め「コチュティギム」もおすすめです。カロスキルの裏道とアクセスも便利なので、とても使い勝手の良いお店。家族や友人を連れて行くと、皆が気に入ってくれる筆者のイチオシ・ローカル店です。
ソムンナン ソンス カムジャタン(소문난성수감자탕)
次々とおしゃれなショップやカフェが増えている大注目のエリア「聖水洞(ソンスドン)」。そんな地で1983年から地元民に愛され続けているグルメスポットがあります。それが、平日にもかかわらず行列ができる人気店「ソムンナン ソンス カムジャタン」です。
シグネチャーの鍋料理「カムジャタン」をオーダーしました。大中小の3種類から選択でき、2人前は小サイズ、3人前は中サイズ、4人前は大サイズが目安です。
カムジャタンとは、骨つきの豚肉や葉野菜などを煮込んだ鍋料理を指します。こちらのお店では、豚の骨肉を10時間煮込んだスープを使用し、唐辛子やニンニクでさらに深みのある味わいに仕上げています。
なにより、ダイナミックな豚の首骨肉と背骨肉が特徴。こんなに大きな骨肉の入った鍋はなかなか見かけません。
一見食べるのに苦労しそうですが、しっかり煮込んでいるのでお箸でほぐすと簡単に解けてしまいます。しっとり柔らかく、ほどよい辛味があり美味。真っ赤なビジュアルから予想するほど辛くはないので、味そのものを楽しむ余裕がありました。
最後にポックンパを追加すると、残ったスープを使って店員さんが目の前で手際よく作ってくれました。エゴマの葉が香る、少し大人の〆料理です。おこげを剥がしながら食べ終わる頃には、おなかいっぱいに。
24時間営業なので、ショッピングの合間に時間を気にすることなく立ち寄れるのもポイントです。
明洞タッカンマリ 始祖店(명동닭한마리 시조점)
タッカンマリのお店がずらりと並ぶ、東大門のタッカンマリ横丁。いくつかのお店に繰り返し訪問していますが、筆者がここ数年の間によく通っているお店がこちらの「明洞タッカンマリ 始祖店」です。*同名のお店が並んでいるので注意
以前はスタッフが目の前で鶏肉をカットしてくれていましたが、今回はすでに切った状態で出てきました。しばらくの間グツグツと煮込みます。
にんにく、ニラ、からし、特製タレなどの調合方法が店内にわかりやすく掲示されています。お店が推奨している方法とは異なりますが、筆者はにんにくをあらかじめお鍋に投入して鶏肉と一緒に煮込みます。そうすることで、にんにくの香りがスープに溶け込み、しっかりとパンチの効いた味わいに。鶏肉が出来上がるまで、澄んだスープを味わう手が止まりません。
さて、鶏肉に火が通ったのでいただきます。あっさりした鶏肉に、もっちりしたお餅、柔らかくほどけたジャガイモを特製タレにつけながら少しずつ頬張ります。また、“味変”として途中でキムチを投入する方もいます。ぜひお好みの食べ方を開拓してみてください。
欠かせないのが〆の「ククスサリ(うどん)」。明洞タッカンマリ 始祖店のククスは細くてツルツルした、うどんとにゅうめんの間のような食感です。
東大門タッカンマリ横丁には有名な店舗が勢揃い。ぜひ食べ比べて、お気に入りの店舗を見つけてみてはいかがでしょうか。