多くのハワイ・ラヴァーが愛する「ハレクラニ」。ハレクラニとは、ハワイ語で「天国にふさわしい館」を意味する。
創業から100年以上の歴史を経た今でも、ワイキキの地でハワイを代表するラグジュアリーホテルとして存在し続けている。
そんなハレクラニがハワイに続いて開業する二軒目の舞台に日本が選ばれたと知った時には、必ず泊まりに行かなくてはと即刻バゲットリストに追加したものだ。
せっかく2連泊するので、ホテル内でゆっくり過ごす時間を確保した。正直レビューがゆえに少し辛口な箇所もあるが、客室はパーフェクトで快適なステイができ、とても満足している。
沖縄・恩納村の海辺で「天国にふさわしい館」にチェックイン
夫婦で沖縄旅行中の、とある日曜日。ハレクラニ沖縄に宿泊するため恩納村に向けてレンタカーを走らせ、チェックイン開始時刻を30分ほどすぎた頃に到着した。
ホテルのパーキングに入ったところでスタッフに呼び止められ、ロビーが混雑しているので車内でしばらく待機するよう伝えられる。そのまま20分ほど待ち、ようやくバレーパーキングを託してロビーに案内された。
ハレクラニ沖縄は3つの棟で構成されている。海の正面を向く「ビーチフロントウイング」、美しいサンセットを眺められる「サンセットウイング」、そして独立する「ヴィラ」だ。
3月中旬の決して繁忙期ではない時期のはずだが、筆者が宿泊する「ビーチフロントウイング」は、多くの宿泊客でごった返していた。案内されたソファは他のゲストと半相席。チェックインカウンターが混雑しているので、一人はソファで待つように伝えられた。
ウェルカムドリンクは、グァバジュース、タンカンジュース、パッションフルーツジュース、グレナデンシロップをミックスしたオリジナル。南国を彷彿させるフルーティーな味わいだ。あまりに人が多くて騒がしく、ゆったりと寛げる雰囲気ではなかったが、それでも冷たいドリンクでのおもてなしは嬉しいものだ。
15分ほど経ち、チェックインの手続きを終えた夫が戻ってきた。どうやら部屋が僅かにアップグレードされたようなのだが、リクエストしていた静かな部屋から賑やかな方向に移動したらしい。つまり、カテゴリー自体はアップするが、個人的なリクエストとは逆方向に動いたわけだ。
純粋なサービスとしてのアップグレードなのか、ホテル側の都合で部屋が変更になったのか、微妙なところだ。筆者のほうがホテルに対してのこだわりが強いので、やはりチェックイン時は一緒に居たかったと残念な気持ちになった。
ロビーを抜けると現れる噴水。その先の海へと繋がって見える、まるでインフィニティプールのような設計だ。周りには高い建物もなく、地形を活かした解放感溢れる景観は、一流リゾートホテルにふさわしい。
噴水からのアプローチを抜けた先には、ハレクラニを象徴する「オーキッドプール」が見える。この麗しさたるや、「我こそは天国に最もふさわしい館の象徴である」と言わんばかりの、雅やかな姿である。
オーキッドプールといえば、約150万個のモザイクタイルを使用して床に描かれた洋蘭のモチーフだろう。ハワイ同様、沖縄でも存在感を放っている。日本でこの姿を見れて感無量だ。
ハレクラニ沖縄にはプールが5つ。16歳以上のみが使えるクワイエットプール、水深が浅いキッズプール、オールシーズン利用可能なインドアプールまで、さまざまな層に配慮されているのが嬉しい。
ハレクラニは、ロゴ入りのオリジナルグッズを多数展開している。ホテル内にはショップが2つ。メインはビーチフロントウイングの「ハレクラニブティック」だが、サンセットウイングの「ハレクラニセレクション」にも一部の商品が並んでいる。
「サンセットウイング」に入ると、ロビーが驚くほど静かで落ち着いていた。筆者が泊まる「ビーチフロントウイング」はファミリー層が多く、これまで宿泊したラグジュアリーホテルの中では群を抜いて賑やかだった。こちらのほうが大人のリゾートらしい静寂があるので、子連れでない場合はサンセットウイングが良さそうだ。
それもそのはず、全360室のゲストルームのうち「ビーチフロントウイング」は237室、「サンセットウイング」は118室(ちなみにヴィラは5棟のみ)。単純に見ても約半数である。
サンセットウイングからオーキッドプールまでは曲がりくねった道が続いている。大型ホテルならではの広い敷地内を散策すると、海風に吹かれて気持ち良い。
個人的には、夜間のロマンチックなハレクラニも推しておきたい。日中は多くの人で溢れていたパブリックエリアも、遅くなるにつれて淑やかなリゾートの一面を見せる。
オーシャンビューの客室で過ごす、心地よいフリータイム
ハレクラニ沖縄の全ての客室は、海を臨むことができるオーシャンビューかつ50㎡以上が確約されている。ハレクラニのアイデンティティとも称される「Seven Shades of White(7色の白)」を表現したインテリアデザインからは、リュクスな雰囲気に加えてリゾートならではの安らぎが感じられる。
オーキッドプールを眺められる客室だ。ベランダは雰囲気こそ最高なのだが、隣人のバルコニーとの距離が近く互いに丸見えなので、ゆっくりと腰掛けることはなかった。
ソファが部屋の中央にある珍しいレイアウト。客室で過ごす時間が長いリゾートホテルにおいて、このデザインはとても使い勝手が良く好きだ。インルームダイニングや読書など、ベッドの上以外でのんびりと寛げる。
ダブルシンクにシャワーブース、バスタブも完備。バスルームと部屋の間はスライド式の扉で仕切れる仕様になっている。こちらからベランダ側を見ると、窓の先に海が見えて感動した。
入浴以外の時間は常に扉を開けていたので、部屋自体も広く感じられて良いことづくしだった。一般的なゲストルームでここまで解放感のあるバスルームは珍しい。
ウォークインクローゼットも完備。スーツケースを2つほど並べられるスペースは物の出し入れに重宝する。リゾートでは着替えが多くなるので、多めのハンガーも嬉しい。収納スペースも十分なサイズがあり、長期滞在者にとっても便利だろう。
クローゼットに予め用意されたホテルアメニティのビーチバッグとサンダルは、なんとゲストへのギフトでもある。ハレクラニブティックでも同商品が販売されていて、バッグは3,500円、サンダルは3,600円(×2名分)。これだけで約10,000円分のプレゼントだ(筆者のように計算してしまったゲストは少なくないと願いたい)。
ビーチサンダルは足に合わず母への土産に転身したが、バッグは持ち帰った後も愛用している。
テーブルの上にはウェルカムアメニティのお菓子が用意されていた。
コーヒーだけでなくオーガニックティーも揃ったミニバー。特にバニラが香る「ハレクラニオーキッドティー」が気に入ったのでブティックで買って帰りたかったのだが、現地では4種類のアソートのみ販売されていた(オンラインショップにはオーキッドティーのみのボックスも売られている)。
グラデーションカラーの美しいバスアメニティは、香水ブランド「ROJA PERFUME(ロジャパフューム)」のもの。南国の地にぴったりの爽やかな香りが楽しめる。
バスソルトは、ハーブ、ビターシトラス、フラワーの3種類。ベッドメイキングのたびに2種類ずつランダムに用意してもらえる。どちらもハレクラニブティックで販売されているので追加購入が可能だ。
珍しいサービスとして、ターンダウンサービス時に日替わりのプチギフトを添えてくれる。私たちはエッセンシャルオイルとお守りをいただいた。
夜間でも客室の照明は明るく過ごしやすい。バスタブの淵に腰掛け足湯を楽しんだり、テレビでスポーツ観戦をしたり、気の赴くままに心地よいフリータイムを過ごした。
後編では、ホテル内のレストランやバーを紹介する。