【モルディブ】至極のリゾート「ギリランカンフシ」で過ごすハネムーン[1]

ギリランカンフシ ハネムーン旅行記

ハネムーンで訪れたモルディブ。「1島1リゾート」と呼ばれる、世界でも類を見ないスタイルを確立するモルディブでは、どの島(=ホテル)を選ぶかで旅の全てが決まると言っても過言ではない。

私たちが宿泊した「ギリランカンフシ(Gili Lankanfushi)」は、過去にトリップアドバイザーの「旅行者が選ぶホテルランキング」で世界・全89万ホテルの中のトップを獲得したことのある、業界では有名なリゾートだ。

そんなギリランカンフシで、私たち夫婦が五感で浴びたトップ・エクスペリエンスが、この「ハネムーン旅行記」には詰まっている。

ギリ・ボートで『No News No Shoes』の世界へ連れて行って

マーレ国際空港へ降り立ちゲートを通過すると、小さな空港らしい吹き抜けの到着ロビーだった。東南アジアのような、むわっと覆いかぶさるような暑苦しさはなく、カラッと違和感のない空気感。ホテルの看板を持った男性に迎えられて、あっという間にボート乗り場まで案内された。

乗り合わせたもう一組のカップルが声をかけてくれた。シリア出身で、今はサウジアラビアに住んでいるらしい。「到着まで何時間かかったの?」と聞かれたので、「トランジットもあったから、日本を出てから約24時間経ったよ」と答えると、とてつもなく東の遠い国から来たねと言わんばかりの表情をしていた。

ボートに乗ると『No News No Shoes』とプリントされた靴を入れる袋を渡された。ギリランカンフシのリゾートコンセプトだ。島では基本的に靴を履かずに過ごすことになるらしい。早速裸足になった。

日常では意識せずとも耳に入ってくるあらゆるニュースを排除して過ごす数日間。手作りのジンジャージュースをもらって喉を潤す。カチカチに固まった肩の力が抜け、それとともに心が解き放たれていく。

エコ・フレンドリーな楽園「ギリランカンフシ」

ホテルの船着場に到着すると、総支配人とホテルスタッフが出迎えてくれた。ギリランカンフシでは「Mr./Ms.フライデー」と呼ばれるバトラーがつきっきりでリゾート生活をサポートしてくれる。担当のMr.フライデーと挨拶を交わし、リゾート島をぐるりと簡単にバギーで案内してもらい、早速自分たちのヴィラに入った。

担当してくれたMr.フライデー。要望があれば、いつでもLINEでやり取りができる。

ギリランカンフシは全45室からなり、その全てが海の上に建てられた水上ヴィラである。一番ベーシックな客室でも210平米を超える二階建てのスイートルームが約束されており、その解放感はお墨付きだ。

玄関のドアを開けると目に飛び込んでくる景色。

リビングルームは窓のないオープンエアースタイル。もちろん、デッキからそのまま海に入ることもできる。ヴィラにいる大半の時間をここで過ごすことになるのだが、柔らかく、しなやかな風が吹き込み、時間の経過を忘れてしまうほど居心地が良い。

デッキのリクライニングチェアは、日差しが直撃する時間こそ避けていたが、影が現れるタイミングを狙って読書やうたた寝に使った。

できる限り自然の素材が使われたインテリアにも注目したい。

デザインだけでなく、ゲストにとっての利便性も考慮されていると感じる部分が多くあった。

入口付近にはテーブルと椅子が配置されており、海を眺めながらパソコン作業をするのに便利だ。天井にはBoseのスピーカーが設置されており、Bluetoothで好きな音楽をかけることができるのだが、音質も音量も十分なので気分が上がった。照明があらゆる場所に点在しており、真っ暗な夜の海を目の前にしても室内は明るく照らされた。バーアメニティーも多種多様、補充される水の量も十分だったので、飲食で特に不自由になることはなかった。

ベッドルームは冷暖房完備になっている。蚊帳もあるので安心して眠れる。

ベッドの正面にある茶色の箱からは、スイッチひとつでテレビモニターが上がってくる仕組みだ。日中、海に囲まれた景色をモニターが遮らないように工夫されている。

スマホやPCとミラーリングできるコードを貸してもらえるので、寝る前にここでNetflixを楽しんだ。

広々としたバスルームは、海に入る機会の多いリゾートでとても便利だった。必然的にシャワーや支度の回数が増えるので、ここで過ごす時間が思いのほか長かったのだ。

通常、荷物はリビングルームまたはベッドルームで広げることが多いと思うが、ギリランカンフシでは荷物置きがバスルームに設置されている。実はとても合理的で、たいてい荷物を出し入れするのはバスルームであることを体感した。おかげでリビングルームやベッドルームはいつも散らかることなく綺麗に保たれた。シャワーを浴びるたびに着替えや美容品をガサガサと持っていく必要もなかった。

洗面台やクローゼットは2つずつ備わっていたので、それぞれが好きに荷物を広げて気兼ねなく使えた。

渡った先にシャワールーム。夜は少し心細いが、特に問題はない。

写真では見えないが、橋の下でも泳げるようにバスルームから海へと続く階段がある。塀で囲まれており、他のヴィラからは一切見えない配慮がされている。宗教的な理由で他人に水着姿を見せられない人も海を諦めなくて良いのだ。

ギリではあらゆる宗教の人が満足できるよう、いたるところでこのような気遣いを感じた。そういった意味での『世界基準の一流リゾート』を初めて目の当たりにした気がする。同時に、このような心遣いは日本のラグジュアリー業界にこれから期待される部分、いや、必要不可欠になるだろうとも感じた。

2階にもテーブル、ソファ、ベッドが揃っており、日焼けをしたい人にはもってこいのプライベート空間だ。特にソファからの景色は上から海を眺められて格別だったが、私たちはあまり長く滞在することはなかった。

素晴らしいヴィラに興奮してしまったが、ルームツアーはそこそこにして、ハネムーナー特典として用意してもらったシャンパンとケーキで一旦落ち着くことにした。

天国のようなこの景色を見ると、改めて言葉にしたくなる。「幸せだ!」
ハネムーナー特典のケーキと、ウェルカムフード。

海の上で眺めるサンセット。珊瑚色に染まった空。

フライト用の分厚いスエットパンツがあまりにこの場所とは不釣り合いなので、早速ワンピースに着替えて外に出てみた。

これから何度も歩くことになる、ヴィラへと続く橋。
ホワイトサンドの上を裸足で歩く。

私は旅先、とりわけリゾート地で眺めるサンセットが大好きだ。半ば執着心を持っているのではないかと思うくらい、滞在中は大きな太陽に吸い込まれていく。

そんなサンセットを見るために、海の上に建つ「Over Water Bar」に行ってみた。

アルコールを楽しむつもりで来たのに大好物のスムージーが豊富に揃っていたので、ギリでのファーストドリンクは「ストロベリースムージー」に決めた。夫は見たことのないスリランカのビールを選んでいた。

海にせり出したデッキの上で横になったり、ハンモックの上に移動したりしながら、サンセットの時間を待つ。

コーラルピンクに染まったマジックアワーの空。
ディナーに向けて、テーブル席に移動させてもらった。

幸せに包まれたファーストディナーは「インディアンナイト」

陽が落ちて、ディナーの時間がやってきた。ギリランカンフシでは、週に数回テーマ性のある食事を楽しめるように工夫されている。この日は『Passage through India』と冠したインド料理がテーマの日だった。

数種類のケバブも本格派。
バターチキンカレー、ラムのミートボールカレー、豆カレー、ダールカレーと、4種類のカレーが並ぶ。

所謂、簡単なインドフェアのようなものかと思いきや大間違い。レストランの一面を多種多様のインド料理が埋め尽くしている。

前菜は「パイナップルとブロッコリーのサラダ」「シーフードとタンドリーのマリネ」「グリンピースとグリーンマンゴーのソテー」など10種類を超える。それに加えて、ホテルのオーガニックガーデンで採れたあらゆる葉野菜も並んでいる。

定番料理の「ケバブ」に、数種類の「ナン」、見たことのないインドのフリッター「バジ」、数えきれないほどの種類のデザートや、目の前で一杯ずつ温めてくれる「チャイティー」まで勢揃い。とにかく、これらをたったの45室のゲストのために準備したことに驚きを隠せない。

興味があるものに片っ端から挑戦したい気持ちとは裏腹に、どんどん膨れていくお腹。それもそのはず、バターチキンカレーが美味しすぎておかわりしてしまったのだ。

旅好きなら分かってくれるだろうか。初日のディナーはどうしてこんなに多幸感に包まれるのだろう。まだ少し日常の名残が消えていない中、ふわふわと浮足だった気持ちで、別世界にいる実感が沸点に達していない。その曖昧さが、いい。旅先での時間がまだ十分に残されている、一番幸せな時間かもしれない。

夜のヴィラと花飾り

Mr.フライデーにバギーでヴィラまで送ってもらった。透き通ったエメラルドグリーンの海が、漆黒の海に変わっていた。あまりに真っ暗なので怖ささえ覚えるほどで、夜間にデッキへ出ることは殆どなかった。

その代わりに、無数の星が夜空を照らしていた。

iPhoneのカメラで適当に撮影しても、この星の数。

ベッドルームに入ると、ターンダウンサービスと一緒にハネムーンデコレーションのプレゼントがあった。ギリランカンフシはサステナブルな活動に力を入れており、プラスチックバルーンなどは使わないポリシーを持つ。そのため、自然素材でなんともギリらしいスタイルの可愛い飾り付けをしてくれていた。

たくさんの星に照らされながら、早めに眠りについた。

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