【ザ タワーホテル ナゴヤ】輝く街のシンボル「名古屋テレビ塔」滞在記

久屋大通の中心にそびえ立つ、名古屋のシンボル「名古屋テレビ塔(現MIRAI TOWER)」

愛知県、名古屋市。栄エリアにある久屋大通沿い。都会でありながら緑もあって、一本道に抜けた景色は空が高く、肩の力を抜いて楽しめる清々しい雰囲気。夜になると一変、おもわず「ここはパリ?」と口走ってしまうほどにタワーを中心とした夜景が魅力的で、初めて訪れた時に虜になりました。

そんな大通りのど真ん中にそびえ立つ街のシンボルが、名古屋テレビ塔(現在の正式名称はMIRAI TOWER)です。

泊まれる国の重要文化財「名古屋テレビ塔」

1954年に名古屋の戦後復興と都市計画の中で建設された、名古屋テレビ塔。2005年には全国のタワーで初めて、国の登録有形文化財に認定されました。

その後、2019年より1年間の大規模な改修工事を経て生まれ変わり、2020年にグランドオープン。そして世界初、タワー内に泊まれるホテルが誕生したのです。

1月。私の誕生日に夫がサプライズで連れて行ってくれたのは「THE TOWER HOTEL NAGOYA(ザ タワーホテル ナゴヤ)」でした。

タワー脇の控えめなエントランスからエレベーターに乗り、4階の小さなフロントでチェックイン。客室数はたった15室の、スモールホテルです。

私たちが宿泊したのは、L12「パークビューダブル」の部屋。

扉を開けた瞬間、まず目に飛び込んでくるのは、天井のど真ん中から突き刺さる大きな柱。これは60年前から受け継がれている、紛れもないタワーの鉄鋼です。

ホテルのコンセプトは「ローカライジング」。東海三県のアーティストによる絵画や写真、テキスタイルなどの作品が各部屋に散りばめられており、全てのゲストルームが異なるデザインで構成されています。

L12のコラボレーターは、名古屋市在住の書家であるワタナベヒロコ氏。濃淡の異なるモノトーンの作品は存在感を放ちながらも落ち着きがあり、全体的にとても居心地の良いインテリアに。

パークビューで良い景色が見えることに加えて、グレー系のインテリアが好きな私に向けて、夫がこの部屋を選んでくれたようです。ルームナンバーの指定ができるので、ぜひ予約の時はウェブサイトでそれぞれの部屋の写真を見比べてみてください。

コンパクトな洗面台は、バスルームの中ではなく部屋の入り口にありました。サッと手を洗ったり、夫がお風呂に入っている間も自由に使えて便利でした。

旅先ではシャワーで済ませることが殆どですが、まれに「このバスタブなら入りたいな」と思った時にだけゆっくりと入浴の時間をとることがあります。こちらのバスルームは空間もゆったり、湯船も大きめ。入浴剤も置かれていたので、珍しく至福のバスタイムを設けることにしました。

温まった身体を柔らかく包んでくれるのは、フランス発「ガルニエティエボー」のバスローブ。バスタブ付きのお部屋に提供されています。

ジャカード織の最高峰として知られる、テーブルリネンブランドの「ガルニエティエボー」は、世界で初めて縦糸・横糸ともにカラーで織った企業だそうです。その着心地の良さはさることながら、折り返し部分の色合いも素敵でした。

ウェルカムスイーツとお茶のペアリング

さて、特筆しなくてはならないのは、ゲストルーム到着時のプレゼンテーション。素材からこだわって作られたウェルカムスイーツが提供されるのですが、なんとお茶とお菓子のペアリングが楽しめるのです。

バニラの香りの玉露は、ホワイトチョコレートとカヌレに合わせて。レモンの香りの煎茶は、ミルクチョコレートや胡麻サブレと一緒に。バラの香りのほうじ茶は、ルビーチョコレートとパートドフリュイにぴったり。

ウェルカムスイーツやフルーツの提供は今や珍しくもありませんが、お茶のペアリングには初めて出会いました。ザ タワーホテル ナゴヤでは、このような工夫を凝らしたサービスをいくつも体験できるのです。

誕生日祝いの宿泊だったので、窓にはメッセージと花束が描かれていました。

宿泊者限定。秘密の扉からテレビ塔のスカイデッキへ。

テレビ塔のスカイデッキは、名古屋の景色が一望できる観光スポットのひとつ。実は、22時以降にはホテル宿泊ゲストだけの貸切ルーフトップサロンになります。

驚くのは、そのアクセス方法。デッキに行きたいタイミングでホテルのスタッフを呼ぶと、案内されたのはなんと秘密の扉。一見、扉になっているとは思えない場所なのですが、その奥にスカイデッキへと繋がるエレベーターが隠れているのです。

遠くの水平線まで見える、名古屋の夜景。たった15室のゲストのみが贅沢に過ごせる空間。ゆったりとした時間が流れます。客室の冷蔵庫にあるドリンクも持ち込み可能。窓際にある椅子に腰掛ければ、まるでプライベートバーのようです。

地産地消。こだわりの和朝食も「ローカライジング」がキー。

光が燦々と差し込む朝の客室。真っ直ぐと伸びる久屋大通の景色を遮るものが何もなく、開放感に溢れています。

翌朝、ホテル4階のレストラン「Glycine(グリシーヌ)」で朝食をいただきます。こちらでは、東海三県の食材を使用した地産地消の郷土料理を堪能できるということで、楽しみにしていました。

レストランに点在しているアート作品の説明が、メニューの裏に書かれていました。料理が運ばれてくるまで辺りを見回しながら、まるで謎解きでもしているかのように一つひとつ拾っていくのですが、なかなか見つかりません。コンプリートする前に食事が運ばれてきました。

小鉢は「豚バラのすき焼き風」と「焼ネギとシメジの煮浸し」。「フォアグラプリン」「ローストビーフ」「法蓮草のおひたし」の彩八寸に、ユリ根、菜花、じゃがいもの煮物。さわらの炙り、だし巻き卵、赤だし。

さまざまな和の食材がずらりと並んだ状態で朝食がスタートすると、まもなく湯豆腐と、「鱈の西京焼」「鯵の干物」「鴨の葱味噌焼き」の焼き物3種が、温かい状態で運ばれてきました。

愛知県発のバーミキュラで炊かれたご飯「龍の瞳」は、炊き立てのものがポットのまま提供されます。

熱々のご飯をお茶碗に盛って、卵を割り落としたら、自分で選んだ相性抜群の醤油でほんのり味付け。もちろん、これらも愛知県や岐阜県産のものを使う徹底ぶり。いたるところにコンセプトの「ローカライジング」を感じられます。

「ミニャルディーズ」と記された食後のスイーツは、なんとふたりで10種類も。ひとつずつ口に運ぶたびに、新たなワクワク感を楽しめます。どこまでもゲストを飽きさせない工夫には脱帽でした。

眩しいくらいに日差しが気持ち良い部屋で、チェックアウトまでごろごろ寛ぐ。
歌詞が表示されるスピーカー

これまでに訪れたホテルとは全てが異なる、特別な体験ができるホテル。小さなイベントが連続してゲストにサプライズを仕掛けてくる。おもてなしを超えた、エンターテイメント。

楽しい体験を共有したい、大切な人を連れてきたくなるホテルですね。とても印象的で幸せな記念日を過ごすことができました。

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