
2026年5月、0歳7ヶ月の娘を連れて、MSCベリッシマ「ゴールデンウィークに航く!西日本と韓国クルーズ7日間」に乗船した。幼い娘と一緒で不安もあったが、準備や下調べを念入りに行うことで、とても快適に楽しく過ごすことができた。この記事では、6泊7日の洋上ステイと韓国・済州島での半日観光の様子を、タイムラインに沿って詳しく紹介する。
06:00 済州島に入港

4日目の朝。目覚めると、大きな太陽が雲の奥から顔を覗かせていた。

目の前を済州島の景色が流れていく。日本とあまり変わらない風景だが、紛れもなく外国だ。
済州島には2つのクルーズターミナルがあり、今回利用したのは2017年にオープンした「西帰浦江汀クルーズ港」。市街地や空港は島の北側にあるが、この港は南側の長閑な場所に位置している。
ターミナルでは長い通路を歩くことになるものの、入国自体はスムーズで、時間もかからなかった。私にとっては今回が二度目の済州島上陸(以前訪れたのは10年以上前)。そして娘にとっては、初めて海外の地を踏む記念すべき日だ。

クルーズ旅行では、寄港地で楽しめる公式オプショナルツアーが多数用意されている。今回も観光地を巡る魅力的なツアーがそろっていたが、ベビーカーで行動できるものとなると、ほぼ選択肢がない(車椅子対応マークを参考にした)。
というわけで、事前にチャーターカーを個人手配することに。VELTRAで「クルーズ港発着貸切チャーター(日本語ドライバー)」という最適なプランを見つけたのだ。チャイルドシートも事前手配できるし、おむつ替えやミルクなどマイペースに動きたい人にはぴったりだ。
09:00 「セヨン橋」

まずやってきたのは「セヨン橋」。歩行者専用の遊歩道をのんびり散歩した。

5月初旬はとにかく気候がよく、のどかな風景の中を歩いているだけで気分がよかった。
09:20 「天地淵瀑布(チョンジヨンポッポ)」

続いて案内してもらったのは「天地淵瀑布(チョンジヨンポッポ)」。森の中を1kmほど歩くと滝にたどり着くのだが、小鳥のさえずりまで聞こえてきて、とにかく森林浴が清々しい。


道はベビーカーでも全く問題なく、小さな子どもやお年寄りがいても安心して過ごせる観光スポットだ。

自然が大きな魅力の済州島だが、足場が悪くベビーカーでは厳しいスポットが多いのも事実。今回は自然観光は諦めて、グルメやショッピングに全振りしようと考えていたのだが、航路変更で早朝着になったため多くの店は開店していなかった。しかし、朝の空白時間をこれだけ満喫することができたのは、紛れもなくドライバーさんが機転をきかせてくれたおかげだ。

そろそろおむつ替えをしたいと相談すると、ベビールームがあることまで確認してくれた。

利用する際は事務所に伝えて開錠してもらう必要があるが、中は清潔で快適だし、そのぶん安心感もある。おむつ替えベッドや授乳用のソファーに加えて、離乳食を温められる電子レンジまで備わっていて、空調もばっちりだ。ここでベビーのケアを済ませられたため、安心して観光に戻ることができた。
10:35 「西帰浦毎日オルレ市場」

観光のメインとして楽しみにしていた「西帰浦毎日オルレ市場」に到着。港からもアクセスしやすい場所にあり、クルーズ船の乗客も多く訪れる場所だ。

済州島といえば、みかん。まずは目についたみかんジュースを購入して、市場内を歩いてみることにした。

雑貨やお菓子が手に入るお土産屋さんにも立ち寄った。市場はとにかく広いため、限られた寄港時間ではお店を行き来する時間はないかもしれない。ほしいものを見つけたら、その場で購入することをおすすめする。

グルメ屋台の周辺はひときわ多くの人で賑わっていた。このあと昼食の予定が別にあるため、店員さんの掛け声がひと際元気なこちらの一角で軽く楽しむことに。

食べれば食べるほど、痺れる辛さがクセになる「えび」。韓国料理に慣れ親しんでいる人ならきっとハマるであろう本場のスパイシーさに、ここが韓国であることを改めて感じさせられる。


韓国料理が大好きな私は「辛い、辛い!」と口から火を噴きながらながらも案の定トリコになってしまい、同じような味付けのイカまで追加。こちらはなかなかボリュームがあり、本当はお酒でも飲みながらチビチビと味わいたかった。

周囲では、クルーズ客らしき人々が思い思いに屋台グルメを満喫中。大賑わいの市場をあとにし、次の場所へ向かった。
12:00 「보름숲(ボルムスプ)」

済州島のサムギョプサルで有名なのは「スクソンド」だが、ベビーカーで入店しやすい店を港の近くで探したところ、こちらの「보름숲(ボルムスプ)」がヒットした。どうやら外国人観光客よりも現地の人が多いようで、もちろん日本語メニューはなく、スタッフにも「どうやってうちの店を見つけたんですか?」と聞かれるほどだった。

ディナータイムには中庭の席も人気だとか。

きれいな待合室も完備され、ゆったりと流れる落ち着いた雰囲気が漂っている。

店内も広々としたつくりで、ベビーカーでも全く問題はなかった。ちなみに私はCatch Tableで事前予約をしたが、その際にベビーカーに乗った0歳の赤ちゃんがいることも伝えている。

席につくと続々と運ばれてくるパンチャン(付け合わせのおかず)。メインのお肉と組み合わせながら、さまざまな味を楽しめるのが嬉しい。


シグネチャーメニューの「ファイヤースモークグリル2人用セット」をオーダーした。黒豚バラ肉、黒豚肩ロース、骨付きスペアリブ、肩肉、計580gの2名用セットだ。

こちらのお店では、お肉をサンチュなどに包むのではなく、葱と一緒にいただくスタイルらしい。

夫はビールを、私は済州島のライスワイン「nimome(ニモメ)」をオーダー。度数は11%と低くはないが、柑橘の甘さを感じるすっきりとした味わいでスーッと飲みやすい。


お肉はスタッフが手際よく焼いてくれるため、我々はじっと眺めるのみ。ふわふわの黒豚はジューシーなのに油っぽさがなく、あっという間になくなってしまった。おなかいっぱい食べたが、胃もたれも全くない。

そして〆のポックンパが絶品だった。もちろん黒豚もとてもおいしかったのだが、こちらは夫婦揃って衝撃を受けた一品。

旅ではなによりグルメを楽しみにしている私たち夫婦。寄港地での過ごし方も「どこで、なにを食べるか」を最初に決めていた。済州島といえば黒豚と海鮮。市場の屋台と合わせてどちらも味わうことができ、限られた寄港時間ながら大満足の食体験となった。

料理のおいしさはもちろん、スタッフも親切で、赤ちゃん連れでも過ごしやすかった「ボルムスプ」。ベビーカーでも安心して行ける飲食店のひとつだ。
13:55 「OLIVE YOUNG 제주중문점(済州中文店)」

OLIVE YOUNGに立ち寄りたいとリクエストして、済州中文店(Jeju Jungmun Branch)に連れて行ってもらった。

今回は娘も待っているため時間があまりとれず、セールになっていたパックをいくつかピックアップして、スピーディーに買い物を済ませた。それでも韓国好きにとって“聖地”ともいえるオリヤンに、クルーズの寄港中に立ち寄れるなんて感無量。このような自由度も貸切チャーターならではのメリットだ。

大人気の「DELIGHT PROJECT」に済州島限定商品があったので買ってみた。なかでもおいしかったのが、サクサクのパイ系お菓子「JEJU TANGERINE PALMIER CARRE」。柑橘が好きな人はぜひ試してみてほしい。1袋に1つ入りで複数人でシェアできるものではないため、お土産にするなら人数分の購入をおすすめする。

14:20 「BANANA」

最後は、ドライバーさんおすすめの雑貨屋「BANANA」へ。韓国国内から済州島を訪れる若い人たちに人気のお店だという。

店内には雑貨が並び、記念やお土産になりそうな小物が豊富。

生まれ年やMBTIをモチーフにしたタグキーホルダーのデザインは、いかにも韓国らしい。ほかにも済州島ならではのデザイン雑貨も揃い、お値段もお手頃なものが多く、学生の子連れでも楽しめそうなスポットだ。
これで済州島観光は終了。港まで送ってもらい、半日お世話になったドライバーさんに別れを告げて、MSCベリッシマへと戻った。限られた寄港時間のなかでも、自然、グルメ、ショッピングと想像以上にいろいろな場所を巡ることができた。
19:00 夜食は部屋で簡単に

今夜も船内のナイトライフを楽しむため、娘のお風呂と寝かしつけは早めに完了。夜食はブッフェでいくつかピックしたものを部屋に持ち込んで簡単に済ませた。

21:45 有料ショーを鑑賞

夫婦で交互にショーを見に行く楽しみ方を覚え、すっかり味を占めた私たち。この日は有料ショーが上演される「カルーセル・プロダクション・アット・シー」を予約していた。

演目は「MYUT」。交互に子守をしながら、夫は19:45の回を、私は21:45の回を観に行くことにした。

有料シアターは円形のステージを客席が囲むスタイルで、ステージとの距離がとにかく近く、どの席からでも迫力あるパフォーマンスをしっかりと楽しめそうだ。入口でもらったドリンクを片手に鑑賞できるのも嬉しい。
「MYUT」は、体を駆使したパフォーマンスと生歌を組み合わせたミュージカルショー。正直なところ、ストーリーはあまりよく分からず、個人的には無料で楽しめる大きなシアターのショーのほうが好みだったかもしれない。とはいえ、演目との相性もあるはず。無料ショーとは会場のつくりも雰囲気もまったく異なるため、一度は有料ショーを体験してみるのもいいだろう。
22:30 船内最大の盛り上がり!ホワイトパーティー

この日のメインイベント「ホワイトパーティー」を軽い気持ちで覗きに行ってみると、この盛り上がりだ。まるで世界を旅するように、さまざまな国の音楽が順番に流れ、老若男女が自由に体を揺らしている。肌を撫でる海風に、視界いっぱいに広がる楽しそうな人たちの姿。この場に流れている空気そのものが、ただただ心地よいものだった。
気づけば1時間以上、一人でその光景を眺めていた。独身時代は野外フェスやクラブなど、音楽を楽しむイベントが好きでよく足を運んでいたが、十二分にやりきった感があったので、昔とまったく同じ遊び方をしたいとは思わない。
でも、こんな楽しみ方ならいいかもしれない。かつて好きだった高揚感を、まさか子連れで乗ったクルーズ船の上で再び思い出すとは思っていなかった。もう少し娘が大きくなったら、いつか夫と娘と一緒に、今度は私もこの輪の中で過ごしてみたい!