先日、神戸港に停泊中のラグジュアリー船「ル・ジャック カルティエ」の船内見学に参加させていただきました。神戸で旅を締めくくったゲストが下船したばかりという貴重なタイミングでの見学です。ポナン社にしか叶えられない、スモールラグジュアリー船の様子をレポートします!
エントランスから感じるフランスの美学
こちらが「ル・ジャック カルティエ」のレセプション。
フランスのポナン社が運行する同船は、最大184名のゲストが乗船可能なスモールラグジュアリー船。「エクスプローラーシリーズ(探検隊シリーズ)」と呼ばれるクルージングは、手厚いサービスを受けながら、大型船では寄港が難しい場所を巡ることのできるシリーズです。
たとえば日本では、座間味島・久米島・竹富島・与那国島をはじめとする沖縄の島々を渡るアイランドホッピングや、瀬戸内各地の文化を体験しなら巡るコースなどが組まれています。その土地ならではのカルチャーに触れることのできる濃密な船旅は、主に西洋の方に人気があるそうです。
レセプションやコンシェルジュデスクの並びに船内ショップを発見。スタイリッシュな佇まいは、街角の高級ブティック顔負けの雰囲気です。
オリジナルグッズやアパレル、ジュエリーなど、フランスらしいどこか上品さを感じられるラインアップが光る店内。88と書かれたオリジナルバッグは、旅の道中にも役立ちそうです。
全員が同時に集えるメインラウンジ
続いてやってきたのはメインラウンジ。ガラス張りの天井や、先に続くテラスの効果で、空間をさらに広く見せています。
2脚がペアになった席だけでなく、大人数で一緒に語らえるソファ席も目立ちます。団体のゲストは多くないようですが、ゲスト同士でコミュニケーションをとる方が多いそう。船内で出会って同じテーブルを囲み、仲良くなるのですね。
フランスのインテリアブランド「ピエールフレイ」のファブリックが演出する、やわらかなカラーリングのインテリアが気品ある空間をつくりあげています。ポナンのクルーズ船内は、厳しい色遣いのルールが設けられているという話を教えてもらいました。フランスの美学に対する並々ならぬこだわりを感じられます。
乗客全員が集まることのできるメインラウンジは、エンターテインメントの会場として使われることもあるようです。
インフィニティが自慢のプール、海へと続くマリーナ
ラウンジをまっすぐ進むと、グリルレストランとプールサイドバーが現れます。神戸港に停泊中かつメンテナンス中なので、この写真で良さを伝えられないのが残念ですが、航海中であれば三方が海に囲まれているので絶景が臨めるはず。海風を感じながら、グリル料理やブッフェが振る舞われます。
その先のプール。船尾側の一面がガラス張りになっているので、航海中は海へと続いて見える「インフィニティプール」でバカンスムード満点。水上スポーツを楽しむシーンでは、可動式のマリーナプラットフォームから直接海に入ることができます。
また、マリーナからは強化ゴムボート「ゾディアックボート」に直接乗り込むシーンも。港の設備がない場所や、氷の上など、客船では着岸できないような場所まで入っていけるのがポナンクルーズの特徴のひとつ。より深く、刺激的でダイナミックな旅を進められるのです。
三つ星の味を誇る、フレンチ船ならではの美食クルーズ
さて、メインダイニング「ガストロノミックレストラン」にやってきました。ポナンクルーズを語る上で外せない要素になるのが、食の体験です。フランス船ならではのフレンチを堪能できるだけでなく、そのレベルは星付きレストランクラス。国を代表するさまざまなブランドやシェフとタッグを組み、一流の味でゲストを飽きさせません。
たとえば、パリの著名な三つ星シェフであるアランデュカス氏が率いるコンサルティング会社「デュカス・コンセイユ」とともに開発されたメニューを、船上で味わうことができます。
また、キャビアのブランド「キャビアリ」との提携により、どのクルーズでもキャビアのテイスティングタイムが用意されているとのこと。もちろんダイニングで振る舞われるフレンチ料理にも、たくさんのキャビアが使われています。
そして2023年からは、マカロンで有名なフランスのスイーツブランド「ピエール・エルメ」との業務提携もスタート。ときにはピエールエルメ氏ご本人が客船に乗り込むクルーズプランもあるそうです。
さらに、五大シャトーのうちのひとつ「シャトー・ラトゥール」とは姉妹企業の関係を持ち、多種多様な高級ワインも取り揃えています。もちろんソムリエも常駐しているので、食事とワインのペアリングも。ポナンのクルーズ船を選ぶゲストはワイン好きな人が多いと教えてもらいました。さすが、フランス船。特別銘柄のものは有料ですが、ワインも含めて嬉しいオールインクルーシブです。洋上の美食体験に、世界中から集まったフーディーたちも舌鼓を打つことでしょう。
デッキ0、「ブルーアイ」はまるで潜水艦
「ル・ジャック カルティエ」の見学で一番楽しみにしていたのが、デッキ0、水面下に在るバー「The Blue Eye(ブルーアイ)」です。
ほかのエリアと大きく異なる空間デザインは、近未来的でクールな雰囲気。収容人数は40名と、コンパクトなのがまた潜水艦らしさを助長させます。
クルーズ船としては世界初の水中ラウンジとして誕生した「ブルーアイ」。3つの水中カメラがデジタルスクリーンに海中の様子を映し出します。ときにはたくさんのカラフルな魚や、イルカの群れを見ることができるそう。この日はお世辞にも綺麗とは言えない海中なので何も見えないと思っていましたが、クラゲを見つけられました。
こんなにも気軽に海の中を覗けるなんて、夢のある話。非日常を極めたポナンらしいアメイジングな体験に期待が膨らみます。
パノラミックラウンジで大海原を眺める
続いてやってきたのは、ライブラリーとしての機能を持つ「パノラミックラウンジ」。その名の通り、何枚にも連なる窓から見える180度のパノラマビューが特徴です。開放的な造りは、航海中の心沸き立つひとときを過ごさせてくれそう。
カラフルなようで、美しく統一されたこの色彩感覚。フランスの美学がここでもひしひしと伝わってきます。夜にはライブ演奏を聴きながら、しっぽり過ごすのに最適な場所でしょう。
キャプテンと同じ目線を体感できる「操舵室」
操舵室にも入ってみました。ポナンのクルーズ船は「オープン・ブリッジ」をポリシーにしており、なんと操舵室への入室が可能!キャプテンと同じ目線で船が進む様子を眺めることができる、クルーズ界では珍しい取り組みです。小さな船だから叶う体験ですね。
スモールシップながら施設も充実
シアターではショーや映画が楽しめますが、特筆したいのはポナンならではのサービス。ときには乗船している「エクスペディションガイド」による説明会の会場にもなります。
たとえば南極クルーズには、ペンギンや氷の専門家がエクスペディションガイドとして同乗しており、さまざまな知識を得ることができます。自然や文化を知り、極限まで近くで体感できるのが、ポナンクルーズの一番の特徴でしょう。まさに、ワンランク上のクルーズ体験です。
アートや撮影した写真を購入できるコーナーもありました。
こちらはウェルネスエリア。クラランスと提携しているので、同ブランドの製品を使用したトリートメントを受けることができます。
また、ヘアサロンは日本でもお馴染みのケラスターゼ(ロレアルパリ)。髪をカットするだけでなく、ディナーやパーティーに向けてヘアセットをオーダーする人も多そうです。
サウナやジムも設えており、日中限定でオープンしています。
ウェルネスエリア自体はこじんまりとしていますが、ゆっくり施術を受けられそうな雰囲気。この落ち着いた空気感はスモールラグジュアリーな世界でしか味わえないものです。
そして、今回は見学できなかった客室も、洗練されたインテリアデザインが自慢です。プライベートテラスやバトラーサービス付きのスイートルームから、20㎡前後のデラックスルームまで揃っていますが、全室シャワールームとトイレが別になっている仕様で使い勝手がよく、ラグジュアリーホテルさながらの雰囲気。中長期の旅でも快適に過ごせるに違いありません。
また、人の住んでいないような自然あふれる場所にまで進んでいけるポナンのクルーズ船だからこそ、環境に配慮して持続可能なクルーズであることを意識しているという話も聞かせてもらいました。
きめ細やかで卓越したサービスを受けながら、まるで絵に描いたような景色のなかでダイナミック旅が叶うポナンのクルーズ。またひとつ、人生で経験したい旅のリストが増えました。
今回は、プレミアム&ラグジュアリークルーズを販売するiCruiseさんの船内ツアーに参加させていただきました。ありがとうございました。
iCruise公式サイト